溜め息と才能と

 SIGHにはイラスト、漫画、詩、小説など様々な創作作品が詰まっています。インディーズに限らずマルチな内容の雑誌というのは、購読者のターゲットを絞りにくいように思います。

 

 SIGHというタイトルには、”才”とSIGH(溜め息)との二つの意味が合わさっているとのことです。自分自身の才を活かす場を求め、しかしなかなかその場を得られず溜め息を吐くこともある。インディーズで走り出そうというクリエイターの多くが経験しているのではないでしょうか。

 不安と自尊心と自己嫌悪と渇望と、いろいろな感情が合わさって思わず息が洩れるのです。

 電子書籍の登場で作品発表の場は無限大に広がるだろうと思います。しかしネット上には「自分の作品を見て欲しい」という人はたくさんいますが、それに比べると「あなたの作品を見せて欲しい」という人は極端に少ないと思います。

 だから発信過多になってしまう。

 星の数で測る評価や一言限りの感想だけでなく、深く切り込んだ批評を受けたいと思っているインディーズクリエイターは大勢いるのではないでしょうか。

 

 インディーズのクリエイターたちが渇望しているのは”活躍の場”以外にもそういう”評価”と”人脈”、そして”金”ではないかと思っています。”金”は各々の売り上げで何とかするとしても、”人脈”と”評価”の部分を補うようなサービスが登場すれば電子書籍も大幅に広まるだろうと思っています。